小学生低学年向け 男女別ギャグ漫画の傾向について書く前に、
低学年向け雑誌に掲載される漫画の男女共通点・人気要素・ジャンルを調べました
参考にした雑誌は、“月刊ちゃお”と“月刊コロコロコミック”です
まず共通点は、
@主人公が中学生や高校生といった、年上の学生の場合がある 男子漫画は主に小学生が主人公
A背景が少なく、キャラクターのアップ中心
Bセリフが少ない、小学生が分かるか微妙なセリフもある(読まれなくても良いと思っている?)
Cページ数、コマ数が少ない
D内容が簡単
Eストーリーが明るめ
まとめてざっくり言うと、「簡単で明るい」ということでした
次に、男女別に人気な要素を調べました
〇男子
人気要素:バトル、ゲーム、ギャグ
ギャグは専門雑誌があるほど人気
〇女子
人気要素:赤ちゃん、アイドル・オシャレ、いじめ、恋愛、ぬいぐるみ・動物
全て日常系の話
最後に、ジャンルをギャグ・コメディ・シリアス・その他の4つに分けて数えました
<ジャンル分けの定義>
ギャグ=現実で起こりえない出来事が面白おかしく描かれている
ex.体が糸になる、銃で撃たれても生きている
コメディ=現実で起こりうる出来事が面白おかしく描かれている
ex.猫が段ボールに嵌っている、赤ちゃんのイタズラ
シリアス=真剣な調子の話が主に描かれている
その他=アニメやゲームの宣伝系
よみきり作品は傾向が分かりにくいので数えませんでした
男子は、ギャグが約半分、シリアスも約半分の比率でありました
コメディはありませんでした
女子は、シリアス約半分、コメディ+ギャグで約半分の比率でした
ギャグ漫画は2つあるものの、後ろの方で重視されていないようでした
恋愛要素が無いコメディも一番後ろにありました
男子向けジャンルがギャグが多いことについては、“すぐ忘れる男決して忘れない女(著 マリアン・レガト)”によると、テストステロンという攻撃性・チャレンジ精神を高めて性格を活発にするホルモンが、男性は女性の10〜20倍あるそうです
テストステロンの効果によって、賑やかな漫画を好む傾向があり、また、雑誌側は小学生向けに明るい話を掲載しようとすると、「シュール系ではない賑やかなギャグを多くしようかな」という結論になるのかもしれません
女子向けジャンルにコメディが多いことについては、上記の通り、女性はテストステロン濃度が男性より低いので賑やかさを求めておらず、雑誌側は小学生向けに明るい話を掲載しようとすると、「平和的でのほほんとしたコメディを多くしようかな」という結論に落ち着くのだと思われます
女子向けコメディ漫画の特徴は、感情を示す間が多く、会話・関係重視ということでした
“すぐ忘れる男決して忘れない女(著 マリアン・レガト)”によると、女性は男性よりも声のトーンや顔の表情に敏感で、共感力が高いそうです
なので、男子向けギャグ漫画のように絵で読者を楽しませるのではなく、雰囲気で楽しませるようにしていると考えられます
また、単純に笑いだけを盛り込んだ作品は少なかったです
これは、コメディは恋愛や日常生活と相性が良いので、「人気要素もついでに盛り込んでおこう」と雑誌側は考えるのかもしれません
まとめると、
男女別の性格的に好みそうな話と雑誌側の「明るい話にしたい」という思惑が合わさって、このようなジャンル比率になったということです
参考;月刊ちゃお 2019年10月号、月刊コロコロコミック 2019年11月号